コーヒーインストラクター検定について

本日は、日本のコーヒー資格についてご紹介します。

 

コーヒー業界団体の「全日本コーヒー商工組合連合会」が認定する「コーヒーインストラクター」という資格があります。この団体は、日本全国のコーヒー焙煎会社、コーヒー生豆輸入商社などが加盟しており、有名なところではキーコーヒーさん、ドトールコーヒーさんも会員となっています。(店主が20年間勤務していたコーヒー会社も会員です)

https://ajcra.org/ 

 この団体が2003年に、コーヒーの正しい知識の普及と技術の向上を目的として、日本初のコーヒー資格認定制度を立ち上げました。数多くの会社が会員となっているため、1企業の偏った考え方ではなく、コーヒーの一般教養を学べる資格となっています。

https://kentei.jcqa.org/about.html 

 コーヒーインストラクター2級:

 コーヒーの対面販売に従事する方に求められる基礎的な知識・鑑定技術を習得した方。

 合格者数:20433名、合格率:91%(直近の実績)

 ※テキストをしっかり読み込んでから試験に臨めば大体受かります。

 コーヒーインストラクター1級:

 コーヒー製造業者に求められる、プロとして必要な専門知識と鑑定技術を取得した方。

 合格者数:1633名、合格率:14%(直近の実績)

 ※急に難しくなります。コーヒー製造業に従事して十分な経験を積んだ方が受かるレベルかと思います。

 ※店主は 焙煎豆およびコーヒーエキスの製造会社 にて商品開発等に長年従事していましたので、受講によって全く新規に学ぶことはありませんでした。が、改めて頭の中を整理する良い機会となりました。

 

コーヒーインストラクター2級は 対面販売に必要な知識と技術、つまり人に説明できるレベルまで理解している、ということなので相当なものです。(どの仕事においても、始めて数年のうちは 自分では理解しているつもりが 同僚/後輩に説明しても伝わらない=説明できるレベルに達していない ことが多いかと) カフェ等を始めたいのでコーヒーについて学んでおきたいという方は、2級取得をお勧めします。2級の申し込みは1/7〜1/20現在受付中です。(と改めて調べてみたら高額でした)

検定教本だけ購入することもできるようです。4000円+送料 中身の濃い本ですので、本を読むだけでも知識は深まります。教本の内容を知りたい方は、来店時にお声がけください。

https://kentei.jcqa.org/guide.html#sche-year2 

いろいろ書きましたが、コーヒーで商売する方以外は、資格などは不要と思います。コーヒーは嗜好品なので、難しく考えずに楽しんでいただきたい。当店のお客様であれば、来店時にちょっとした質問も受けておりますので、それで十分ではないかと思います。

 

なお自家焙煎ではないコーヒー販売店の従業員は、コーヒー資格ゼロの方がほとんどですので、おかしな説明をしてくる場合があります。ご注意ください。2級の知識があれば、説明が正しいか否かに気づけます。

 

ここまで、「コーヒーインストラクター」のみご紹介してきましたが、日本での認知度が高い資格が もうひとつ、「日本スペシャルティコーヒー協会」が認定する「コーヒーマイスター」という資格があります。認定者数は、「コーヒーマイスター」が延べ7,100名、「アドバンスド・コーヒーマイスター」が637名です。人数や受験順序からみて、それぞれコーヒーインストラクターの2級と1級に相当すると思われます。

https://scaj.org/meister/about-meister#flow

 

美味しいコーヒー豆を探し求める場合、その店の店主が、上記の「コーヒーインストラクター1級」や「アドバンスド・コーヒーマイスター」や、2025/1/15ブログの「クラシフィカドール」の有資格者かどうかで選ぶ、と方法もありかと思います。ほかに、コーヒー関連の経歴の長さ/深さで選ぶ、販売されている商品の製法で選ぶ、という方法もあるかと思います。とはいえ机上では本当のところが分かりませんので、気になったら実際にお店に行ってみる、コーヒーを飲んでみる、少量でも豆を買って家で淹れてみる、ことをお勧めします。自分が「これだ!!」と思うものは、自分の目、耳、鼻、舌、手で感じ取れるものだと思っています。

 

ご来店される方で、たまに「焙煎当日の豆じゃないなら要らない」「シングルオリジンじゃないなら要らない」「浅煎りじゃないなら要らない」と、聞いただけで帰られる方がいますが、非常にもったいないと思います。店に入るだけ興味があったなら、少しお金を払えばドリンクなり豆100gを買って試せるのに。頭でっかちになると、出会いのチャンスを逃してしまいます。当店でも他店でも、気になったお店なら ぜひ一度はお試しを。