焙煎豆づくりと、資格「クラシフィカドール」について

本日はコーヒー焙煎豆の製法と、資格の意味(活用方法)についてご紹介します。

 

焙煎豆を作る、ということは、簡単に済ますこともできますが、高品質なものに仕上げようとすれば、長い工程が必要となります。

 

◆簡単な焙煎豆の作り方

 ・気に入った名前の生豆を買う

 ・自動焙煎機に入れ、スイッチON

 ・はい出来上がり。

この方法でも、コーヒーの炒った香りは出ますが、自分好みの味わいの豆ができる可能性は限りなくゼロです。

理由は大きく3つ、生豆を味わいで選べていない、焙煎条件が合っていない、そもそもの豆の品質が低い。高い生豆だから焼いても高品質、と簡単に言えるものではありません。

 

◆石原珈琲店での、焙煎豆の作り方

 ・最低年1回 生豆をカップテストし、店で使うのに相応しいものを選定し購入(同じ農園でも、毎年同じ風味とは限らないうため、カップテストにより判断)

 ・生豆保存容器に入れ、低湿度にて保管(異物混入防止、衛生管理、高湿度による劣化回避)

 ・焙煎日が近くなったら、必要分の生豆をハンドピック(虫食い豆、カビ豆、欠け豆、割れ豆、石などを除去。焙煎後の判別が難しい 虫食い と カビ を重点チェック)

 ・業務用焙煎機にてじっくり&ふっくら焙煎

 ・焙煎豆をハンドピック(欠け豆、割れ豆、しぼんだ豆、焙煎不十分な豆を除去。不要な焦げ臭や生焼け臭を回避)

 ・オリジナル配合でブレンド(ブレンド考案方法は、METHODタブを参照ください)

 ・ようやく出来上がり。

 

こうして出来上がった焙煎豆は、10gずつ挽いて飲んでも 毎回安定した風味となり、異味異臭を感じることはありません。

簡単に作った焙煎豆は、10gずつ挽いて飲むと、欠点豆が入らなかったときは美味しいが、欠点豆が入ると強い異味異臭を感じることになります。200gまとめて挽いた場合は欠点豆の影響が薄まりますが、いつ飲んでも弱い異味異臭を感じることになります。

 

このため、欠点豆を除去することは重要です。

コーヒー豆の産地は赤道付近の国であり、高温多湿の港湾で船積みされ、船便で1~2ヶ月かけて日本へ運ばれます。(一部の超高価格品は航空便で輸送)

生産国で高品質に仕上げた生豆も、熱帯で船積みされ、日本に到着し、港湾倉庫で一旦保管され、自家焙煎店に入荷するころには(生産国での出航から3~12ヶ月後)、欠点が出てきてしまいます。

高い豆でも安い豆でも、流通過程で欠点が出てくることに変わりはありません。しかし、この欠点を取り除いてやることで、元の高品質な豆に戻すことができます。

取り除かなければ、せっかく生産国で高品質に仕上げた豆を、日本で生かしきることが出来ず、残念な形で消費者の元へ届くことになります。

 

店主の保有するコーヒー資格の「クラシフィカドール」は、ブラジルの商工会議所が認定する(=公認の)コーヒー鑑定士の資格となります。

鑑定士といっても、鑑定団のように 当てっこ するわけではなく、

あるサンプルが、グレードにおいて上位か中位か下位かを格付けをします。

ブラジル生豆の格付けは、欠点数で判定しており、

クラシフィカドールとなるには、あるサンプルから ”制限時間内に”、"すべての" 欠点を選び出し、欠点の種類を確定し、欠点ごとの点数付けをします。

 ※欠点=虫食い豆、カビ豆、欠け豆、割れ豆、石、木片など

 

≪≪≪すなわち、クラシフィカドールは、短時間で、欠点のない生豆にすることができる、ということです。この技術を、石原珈琲店での焙煎豆づくりに生かしています。≫≫≫

 

未経験者でも、形の違いで欠け豆、割れ豆などは選別容易ですが、ほかの欠点は見落とすことが多く、あまり慎重にやっていると途中で集中力が切れ、ごく少量の選別で終わります。(このためか、ハンドピック自体をやっていない自家焙煎店が大半です)

このように、ハンドピックは誰がやっているのか、が仕上がりに大きく影響します。

 

まだ当店のコーヒーを飲んでいない方は、まずは一度、当店のコーヒーをご賞味ください。また、他店の焙煎豆と比べてみていただければと思います。

 

ご来店、ご注文をお待ちしております。